大河ドラマ「真田丸」 第9回 駆引 感想

カテゴリ:真田丸
日時:2016/03/06 22:37

今回は、まったりペースで展開する中休み回。すっかりデレたポジティブ室賀が見所です。4回目の「黙れ小童!」も繰り出され癒やされます。で、最後に急展開をちらつかせて終了。

ではドラマスタート。真田昌幸のために北条と直接対決するハメに陥った徳川家康さん。新府城まで押し返されてトホホ状態です。打開策として、本多正信が進言したのが真田を味方に引き入れること。こうして天正壬午の乱は再び勢力図が変わることになります。

同じく昌幸にハメられた上杉景勝も真田に檄おこ。直江兼続は信尹にも目を付けていましたが、真田信尹は一足先に出奔済み。さすが叔父上。

昌幸は、出浦昌相に国衆の寄合で信濃を治めるプランを開陳。割とあっさり受け入れる昌相ですが、問題は室賀さん。
出浦「室賀は悪い男ではない」
昌幸「顔が好かん」

同席していた真田信繁は寡黙。そしてついに、春日信達の一件を父にぶつけ、反発して退出します。信繁にも反抗期がやってきました。父への無条件の信頼・憧憬から不審・反発へ。才はありながら失敗と挫折を繰り返して、ちょっと大人になりました。

信繁とは反対に、父への不信・不満から尊敬へと、反抗期を脱してより客観的かつ公正に父を評価できるようになった真田信幸は父の偉業を讃えます。山城国一揆の話を引き合い出して昌幸がやろうとしていることをゴホゴホ嫁に語る信幸ですが……。

飯もよそれないほど虚弱なゴホゴホ嫁。あんた、よく子ども産めたな……。

国衆の寄合で信濃を治めるため、室賀正武に同心を求める昌幸と出浦。最初は反発する室賀さんですが、実は寄合プランを大いに気に入ったご様子。「実に面白い!」という室賀さん、すげーいい笑顔です。何この室賀さん。すげーかわいい。

そして手を握り合う昌幸と室賀さん。

でもさ、こんなデレた室賀さんを殺しちゃうんでしょ?>昌幸

室賀謀殺に至る物語を想像すると何か泣けるな。三谷がどう処理するのか分からないけど。

父に反発した信繁は、マイルームでヒッキー。そこへ押し掛けるきり。まぁ、信繁との関係性の範囲内であれば別にウザくないので、大いにおやりなさい。と思ったら、きりをウザがった信繁が退出して終了。

野外でポツンと座っているという、現実では見たことがないけどドラマではよくあるシチュエーションで黄昏れる信繁に声を掛ける作兵衛。そして2人は連れだって作兵衛の家へ。ドラマではバサっとカットされていましたが、ドラマ・ストーリーには梅が棍棒を持って飛び出してくるくだりが書かれています。

梅は、春日調略の一件で「戦をしなくて済んだ」と語ります。作兵衛もまた、「戦はやっぱり嫌なもんですよ。ここで畑仕事している方が性に合ってる」と言う。戦に駆り出される民の視点だから実に自然です。彼らにしてみれば、戦で得るものよりもリスクの方が高い。全否定はしないがしたくはない。戦のおかげで城に住み、豪華な衣装を着て食事に不自由しない姫が「戦はいや」とか言い出す薄っぺらい厭戦トークとは違います。

それにしても、梅は成長したなあ。最近まで、信繁と対立して「ラブ&ピース」とか言ってたのに。

信繁と梅が何かいい感じになったところで、すっごくわざとらしく座を外す作兵衛。そして夜に帰宅してきた信繁。「ニヤニヤおじさん」の異名を誇る堺雅人が一層ニヤニヤしていて、いろいろと勘ぐってしまいますが、まあそれはどうでもいい。

室賀を取り込み、小県の国衆を招集して寄合プランを提案するものの、反応はイマイチ。しかし、出浦が感心するほど妙に前向きな室賀さん。ポジティブ室賀もかわいくていいのですが、何というか、こう、イマイチ物足りない。はて、何だろう。

ポジティブ室賀にとうとう口をはさむ信幸。

黙れ小童!

キター!

帰りしな、信繁に声を掛ける室賀さん。このツーショットは初めてか? 疎遠だった主人公と親しく会話する退場予定者という、絵に描いたような死亡フラグを積み重ねる室賀さんです。室賀も昌幸の顔が好かんと言い出して笑う。

室賀「昌幸もわしも、共にこの小県で生まれ育った者同士でな」

ああ、室賀さん。これも死亡フラグ感が漂ってます。好かんと言いながら同郷の親近感をしっかり持っていたり、「お主の父親、なかなかの男よ」と評価したり、室賀さんの善人度はとどまるところを知りません。まぁ、信幸の郵便配達襲撃以外、特に室賀さんが悪行をしたことはないわけですが(むしろ、意見をころころ変える昌幸に「朝令暮改だ」と怒るとか、室賀さんの方が正しいことも多い)。

こんなかわしい室賀さんを殺しちゃうの?>昌幸

一方、部屋に残った出浦は、またもや昌幸に大名として立てとけしかけます。「ヤンをけしかけるシェーンコップ」を思い起こさせる構図です。

出浦「真田昌幸、腹をくくれ!」
信幸「出浦様、お気持ちは分かりますが、父上の気持ちは既に固まっております」
昌幸「いや、そうでもない」
信幸「父上……」

昌幸……。

悩む昌幸のところに、家康からのメールが着信。これをきっかけに、ついに信濃・上野を治める腹をくくった真田昌幸でした。これには信幸もびっくり。

信幸「おまちくだされ、では国衆たちの寄合はどうなるのです?」
昌幸「うむ、諦めた」
信幸「父上~」

家康との交渉に向かったのは、やはり仕事ができる男・信尹。大胆に所領安堵を要求します。特に、ナレが語った通り沼田を安堵したことが後にトラブルの元になります。ただ、これがないと真田モノは盛り上がらないのでしかたがありません。家康さんにおかれましては、せいぜい安請け合いしていただきたいところです。

昌幸が徳川についたことも将来の布石と信じ、ノリノリで昌幸に協力するポジティブ室賀。昌幸に裏切られているともしらず、いい笑顔なポジティブ室賀が切ない。

昌幸「もう少し黙っていようか」

昌幸、アンタ外道だな(褒めてます)。

ついに軍議に出られるようになった信繁は、マイプランをプレゼンテーション。手薄の小諸を押さえることで北条の糧道を断つというのです。ヤンが好きそうな作戦ですね。

こうして補給線を絶たれた北条は劣勢となり、北条氏政は戦略の転換を迫られます。

徳川と北条の攻防は当分続くと読み、その間に空白地帯の信濃で力を蓄えるといののが昌幸の作戦。ところが、届いた知らせは「またも」昌幸の予想を裏切るものでした。前回、派手に謀略をめぐらせたのに、今回はまた読み違える。この昌幸を見ているのは本当に楽しいなぁ。

徳川と北条が和睦。甲斐・信濃は徳川、上野は北条で分け合うことに決めてしまいます。

昌幸「真田の立場はどうなる……」


真田はここから本格的に面白くなるので、仕方がありませんな。

2016年 大河ドラマ「真田丸」キャスト(配役)
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