大河ドラマ「花燃ゆ」 第21回 決行の日 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/05/24 22:29

ついに、軍民問わず無差別砲撃という、とても文明国とは言えない劇イタ・国辱ものの蛮行を長州(だけ)が決行しちゃう回なのですが、夫の浮気を疑う文さまが伊之助とお泊まり旅行までして出張ってくるという、とってもクソ回。文さまのシーンを全部カットしたら、実は結構イケてたかもしれないのに、実に残念です。

文久3年(1863年)、4月。伊之助の功績のような描写をしてましたが実は伊之助とは全く関係なく松陰が復権し、梅太郎の子・小太郎が吉田家の家督を継ぐことになります。モチベーションが急騰した文之進。松陰という大失敗作を作ったのに懲りず、また同じ教育方針で小太郎に毒を注ぎ込みます。コイツにまたも時代後れな教育させるから、小太郎も萩の乱で駆除されちゃうんですが。

そして、松下村塾ではいたいけな子どもたちを松陰のテロ思想で洗脳中。ぞっとする話です。で、子どもたちに勉強させながら、文さまたちはご歓談。ガールズトークのネタとして、春風ちゃんの御成橋事件に触れます。将軍用の橋を渡って名乗りまで挙げた、というやつです。幕府と長州の緊張を高める意図があったともいわれていますが、ドラマでの扱いは尾崎豊の歌的な幼稚なイタい行動にしか見えませんでした。このドラマは「志士」と呼ばれた人たちを辱めるために作っているのでしょうか? そんなガールズトークに自然に入ってくる、天下の女好き利助。「3年後」に離縁するすみとの縁談を発表。君の隣にいる「ひょうたんみたいなな顔の男」は芸者の水揚げしまくるんだぞと思うとすみのキャッキャウフフっぷりが痛々しい。

3月11日、家茂上洛。またもイタい行動を取る春風ちゃん。これを諫めることにした周布。ここまで桂がレアキャラな幕末ドラマも珍しい。

桂「攘夷で幕府を追い込み、時代を転覆させる」

攘夷自体が目的化しているかのようなポンコツどもと異なり、攘夷を手段と位置付けたプラン(内容スカスカだけど)らしきものが、ついに桂の口から出てきました。これだけで倒幕が成るわけではないので、相変わらず長州どものノープランっぷりは変わりませんが。

それでも多少は盛り上がってきたかな、と思ったら場面が杉家に変わってガックリ。ダメだ、このドラマ。

ヘソを曲げた春風ちゃんが頭を丸めたと聞きつけ、早速春風ちゃんに会いに行く文さま。お前、出てくるなよ。

「時局がどう動くか見守っておられる、そねな大事なときに」と、偉そうに説教する文さま。うるせえ、お前出てくるなよ。

春風「今、攘夷を決行してもしょせん負け戦じゃ。やのにやつは攘夷をお題目に京でもてはやされ、公卿や豪商相手に根回しばかり」

春風ちゃん、君は正しい。

一方、ポンコツどもは調子に乗り、家茂がこもる二条城に押しかけます。ウゼー、超ウゼー。で、家茂やら慶喜やら春嶽やらの動きはまるっと省略して、何となく攘夷決行が決定されます。このあたり、幕府側の動きもちゃんとやれば面白いのに、全くやらないから薄っぺらいこと。政府の政策にいちいち反対してデモ行進する左翼のドラマを見せられてるみたいで非常に気持ちが悪い。そうか、何で今年のドラマが気持ち悪くて嫌悪感を刺激するんだろうと思ってたんですが、左翼のデモドラマじゃ気持ち悪いわ。

で、攘夷決行に迷いを見せる敬親さん。「攘夷は正しいか?」と、伊之助に問いかけます。敬親のバランス感覚はすばらしいのですが、伊之助の返答は要領を得ず、さっぱり説得力がありません。やはり、大したことも成さずになぜか出番を作ってもらってるだけのイラナイ子のセリフは刺さりません。前橋出身の私でさえ伊之助の強引な出番に嫌悪感を抱くのですから、他の地方の方々もさぞかし不快なことでしょう。前橋市民も伊之助の活躍なんて望んでないんですけどね。

京では、調子こいたポンコツどもが祝杯。再び辰路にアプローチされるポンコツ。

辰路「天下の久坂さんが、まるででくのぼうのように」

えっ! 辰路さんも私と同じ意見だったんですか。気が合うなー。私も常々「でくのぼう」だと思ってたんですよ。

4月25日、ポンコツどもが山口入り。すると、攘夷を望む民衆が大歓迎。攘夷は草莽の支持を得ていた的な描写ですが、民衆の支持=正義じゃないし。

ポンコツの帰宅を待つ文さまのところへ、ポンコツが萩に戻らないとわざわざ知らせに来る伊之助。お前、暇なの? 暇なんだな?

「京にきれいな人が」と夫の浮気を心配する文さまは、義兄と2人きりで密会中でございます。君こそ不義密通を疑われても仕方がないのでは?

文さまと伊之助のツーショットトーク自体はどうでもいいので、トイレタイムとして活用しましょう。

さらに、「晋作に会いたいから江戸に行く」という雅に身分も弁えず説教して塾の運営を手伝わせているにもかかわらず、文さまは塾を放り出してポンコツに会いにいくことに。このばかばかしさには笑うしかありません。やはりトイレに行くべきでした。

こうして、夫の浮気を疑う文さまは、山口まで義兄と二人旅。君こそ不義密通を疑われても仕方がないのでは?

妻が義兄といつも2人だけで密会しているとも知らないポンコツは、光明寺でアジテーション中。コイツが史実通り美声だったら見応えがあったでしょうに、汚い声ではイマイチ乗れません。

で、「光明寺党結成」という、何だかイタいことを宣言して、勝ち目のない攘夷に突き進むバカ軍団。コイツラの師匠は兵学師範じゃなかったの? 松陰は孫子も読んでないの? 攘夷攘夷と騒いでいるが、敵の能力を調査する様子が全くありません。こんなていたらくで戦とは片腹痛い。光明寺党とやらへの侮蔑感はマックスです。

山口でポンコツに会えなかった文さまと伊之助は、「翌日」、中河原の御茶屋へ到着。文さま、義兄とお泊まり旅行ですよ。

すると、幾島もとい都美子さんに親しくお声がけを賜ります。それはいいのですが

都美子「いつ戦は終わります? どのくらいかかるのかしら?」

都美子さんには文さまが軍総司令官にでも見えたのでしょうか。目が悪いの? 頭が悪いの?

そこへ、「たまたま」通りかかり文さまに親しくお声がけを賜う敬親。が、文と敬親のツーショットトーク自体はどうでもいいので、トイレタイムとして活用しましょう。

ここで長州ファイブの英国行きに一瞬だけ触れます。文さまのトークよりこっちの方が面白いのに。

下関で終わった文と伊之助の疑惑の二人旅。ようやくポンコツと再会です。文さまとポンコツのツーショットトーク自体はどうでもいいので、トイレタイムとして活用しましょう。

そして5月10日。史実では米国の商船ペンブローク号に無差別砲撃を加えるはずなのですが、ドラマではなぜか「フランス船」に攻撃していました。ノベライズも「来たぞ! アメリカ船じゃ!」となっているのですが、なぜフランス船に変えたのでしょう。この変更で何か面白くなるの?>無能なドラマスタッフ

こうして、相手が軍艦か民間船かも確認せず、無差別に砲撃を加えるという、未開の蛮族のような暴挙を決行。こんなことしてたら文明国とみなされなくても仕方がありません。だって蛮行なんだもん。

こんな日本の恥のごとき蛮行に及んだのが長州だけだったのがせめてもの救いです。長州以外はまともだったのですから。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
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