大河ドラマ「花燃ゆ」 第14回 さらば青春 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/04/05 21:32

今回は、単なるテロリストに成り下がった松陰をまたもや甘やかし、「ちょっと頭冷やそうか?」とばかりにパラダイスプリズン野山獄に入れて差し上げるというお話。確信犯の気持ち悪さが堪能できます。文さまは基本的にウロウロしているだけで何の役にも立っていないため、むしろ好印象です。

安政5年(1858年)8月、江戸で活動している入江九一からメール。孝明天皇の勅諚が水戸に下されたことを知らせてきました。「密勅」が下されたことのみならず、その内容まで知っているとは、極秘事項となっている特殊な交渉術を使ったに相違ありません。

こうして、いよいよ安政の大獄スタートです! 狭い視野でガタガタ言ってるだけのテロリストどもを張り切って獄りましょう!

というわけで、早速雲浜が捕縛されます。きたろうが演っているせいか、妙に浅薄な小物臭がするので、ちっとも残念じゃありません。 その知らせは早くも萩へ。「事をなすときが来たということじゃ」と、テロへの意志をさらに高める狂犬松陰。ポンコツ玄瑞は生死不明ということですが、彼が駆除されるのは禁門の変なのでどうでもいいことです。『功名が辻』でも姉川の戦いのときに一豊が生死不明ネタで1回浪費してましたが、歴史モノで生死不明ネタを引っ張るのはつまらないのでやめた方がいいと思いますね。しかも主人公クラスを。

こうした中、さらに危険思想を先鋭化させた松陰は建白書を乱造。が、全て周布さんがさしとどめていてくれました。彼なりの優しさでもあるわけですが、単なる旧守派的な扱い。これはこれで、松陰のようなガチなキ○ガ○には逆効果だった気も。

百合っぺがお城で重役に釘をさされているころ、杉家にヘロヘロの稔麿がやってきます。

稔麿「久坂さんは無事です」

視聴者「知ってた」

もはや単なるテロリスト集団となった松下村塾では、テロる機運がマックス状態。江戸の情勢を知っている仮面ライダーと時空ジャーナリストはブレーキをかけようとしますが、井の中の蛙どもは聞く耳を持ちません。

そこで、松陰が間部の暗殺を高らかに宣言。

松陰「間部を暗殺すべし。藩はもはや、幕府に対し無策です。僕たちが動くしかない」

自分だけが正義だと勘違いしちゃってる人は本当に気持ちが悪い。さらに、血判状を用意して塾生たちを道連れにします。金子君を巻き込んで死なせたことはきれいさっぱり忘れたようです。当時はちょっと悔いていたようでしたが、多分気のせいだったのでしょう。「確信犯」ってヤツはこれだからたちが悪い。そんなに暗殺したかったら、塾生を巻き込まずに1人でやればいいのに。

苦悩の末、稔麿は結局周布に血判状を提出します。

稔麿「松陰先生を裏切ることはできません。たとえ、それが死につながろうと」

もはや、変な宗教団体の洗脳レベルです。

ここに至り、周布さんもさすがに庇いきれなくなります。まぁ、そもそもこんな連中、最初から庇うべきじゃなかったんですが。

こうしてお役御免になってしまった稔麿は、道ばたでしょんぼり。

稔麿「先生のやり方で世の中は変えられません」

その通り。

稔麿との出会いで腹を決めた文さまは、父母兄らに松陰の暗殺計画をチクります。いいぞ文さま。

文之進「一家断絶、死罪どころの騒ぎではない。藩の存続さえ危ういんだぞ!」
松陰「長州など一度滅びればええんです」

さすが、自己中な松陰らしい言いぐさです。自分が勝手に正しいと信じ込んでいる志とやらのためなら、他人がどれほど迷惑しようと関係ない。まさに、下劣なテロリストのメンタリティです。松陰を顕彰するフリをしながらディスるという、今年の高度な脚本には脱帽です。せっかくですから、稔麿に気合いを入れるため彼の葬式ごっこを主催したなどの立派な教育者っぷりもちゃんと描いていただきたい。

百合っぺの渾身の想いも、梅太郎の「いっそお前がおらんくなってくれたらと、そのようなことを兄に思わせるな」という言葉も、やっぱり松陰には届きません。

ここで満を持して文さまの説教タイムスタート。

文「ここは人殺しの算段をする場所ですか? ここは大事な学舎じゃないんですか?」
松陰「今は学問なんぞをしとるときではない」

先生自ら、松下村塾の存在意義全否定。

続いて伊之助の説教タイム。

伊之助「自分の言葉や行いが弟子たちにどのような結果を及ぼすか、分からんもんは人の師たりえん。お前はもはや『先生』と呼ばれるに値せん」

というわけで、松下村塾閉鎖&松陰は野山獄へリターン。甘すぎる処分ですが、史実なので仕方がありません。とにかく、なぜか長州藩は松陰にとことん甘い。実に不思議です。
2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
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