大河ドラマ「花燃ゆ」 第13回 コレラと爆弾 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/03/29 22:39

今回は、萩にコレラが流行。ここは伊之助の出番かと思いきや(思ってないけど)、なぜか文さまがウロウロするだけという展開。もちろん、文さまの登場シーンは全て不要でしたが。で、あらためて今回の話を振り返ってみると、驚いたことに何も進展していないという事実に戦慄します。

安政5年(1858年)。我らがヒロイン文さまは数え16歳(満14、15歳)、ポンコツ玄瑞は19歳(17、18歳)。まだ中学生と高校生ですね。

塾にはボマーとして名高い小野為八がメンバー入り。小田村家では久米二郎(楫取道明)が誕生といった変化あり。

そんなこととは関係なく、萩をうろついていた文は、迷子を見つけてまた他人の事情に首を突っ込みます。そこで「偶然」新メンバーの為八と出会い、彼の「父のところかも」という根拠不明な予感に導かれて山根文季の屋敷を訪れる一行。すると、為八の予感はなぜか的中しており、迷子のママが入院中。何とコロリに罹っているというではありませんか。 山根文季といえばコロリで死んだ藩医として有名ですがね……。コロリ患者の治療に尽力している姿には微妙に違和感が。山根文季は「眼科医」なんですけどね。為八はなぜ父のところにいると思ったんですかね。

するとなぜか、松島剛蔵に相談する文さま。確かに毛利元徳の侍医であり義兄伊之助の実の兄なんですが唐突感は否めません。こうして、文さまはコロリの治療法が記された『虎狼痢治準』(緒方洪庵著)をレンタル成功。一節によると、コロリの治療法は緒方洪庵が江戸で伊之助から学んだものとか……。

山根文季だけでなく松島剛蔵からもコロリに近づくなと忠告されたにもかかわらず、「眼科医」山根文季をあししげく尋ねる文さま。このクラスのヒロインになりますと、人の忠告なんか意に介しません。さすがです。

そこで待っていたのは、きくママ死亡のお知らせ。眼科医では大したこともできなかったでしょう。

そんなころ、江戸では井伊直弼間部詮勝がツーショットトーク。この2人だけが大河していて痛々しい。そして、メリケンと通商条約に踏み切るひこにゃん。

すると、「天子のお許しもなく条約を結んだ」ことにキレる塾の面々。笑わせてくれます。そもそも鎖国を断行したのは幕府なんだから、開国するのも幕府マターでいいんですが。ここで天皇を持ち出してくるのは、攘夷派の方便で、言い換えれば攘夷という目的のために天皇を利用してるだけ。そもそも長州は、そんなに大切な天子様をないがしろにして自分たちに都合の良い偽勅を乱発したり、御所に大砲をぶち込んでるんですが。こんな連中が尊皇ぶるとは片腹痛い。

江戸では、演技力だけでなく脳みそまでポンコツであることを露呈する玄瑞。藩費で「医術を学ぶために」江戸遊学を許されたポンコツ玄瑞は、医術を学ばず京に行きたいとダダをこねます。

玄瑞「私は志のために萩を出たんです」

違う。医術を学ぶためだ。勝手にしたいなら、自費で江戸に来い。自費で京に行け。志があれば何をしてもいいと勘違いしているあたり、松陰と似たり寄ったりのクズっぷりです。誰だよ、こんなやつを公費で遊学させたヤツ。ああ、松下村塾をえこひいきする伊之助でしたね。伊之助も松陰も玄瑞も、個人的な感情で法は犯すわ公費で好き勝手やるわ、本当にクズだな。

こうして、ヅラ、じゃない桂たちの叱責もむなしく、勝手に京へ向かうポンコツ。登場人物に対する嫌悪感が募るばかりです。

松陰「それだけやむにやまれぬ思いだったんでしょう」

それが何のいいわけになります? だったら何をやってもいいと? まぁ、クズテロリストの松陰なんぞに道理を求めても仕方がありませんが。

憤ったり何のいいわけにもならない理屈をこねるクズの中にあって、京を今後の主戦場と定めて藩を動かそうと提案する利助。おお、コイツが一番頭がいいぞ。

で、クズテロリストはというと、「公方を討て」というトンデモ建白書を書く始末。本当にコイツはダメだな。

伊之助「寅次郎は焦燥にかられしたためたものに相違なく」

と庇う伊之助ですが、要は松陰は被害妄想をこじらしているというわけですね。

勝手なことばかりするポンコツは、京で雲浜に合流します。その絶妙なタイミングでポンコツを尋ねる春風ちゃん。「文にメールを書け」と諭す春風。「ここを動くわけにはいかん」と答えるポンコツ。何でこの程度の話がかみ合わないんだ。メールしろと言ってるだけなのに。頭が悪い人同士の会話ってこんなですね。

再び萩。為八はプロトタイプボムを完成させます。河原でテストしようぜ! というタイミングで、山根文季が史実通りコロリに罹患。またも他人の事情に首を突っ込んだ文さまと為八が山根文季の診療所に行くと、松島剛蔵が治療に当たっています。安政5年といえば、松島剛蔵は長州藩海軍総督かつ丙辰丸艦長としての仕事もあって、毛利元徳の侍医様が庶民のコロリ治療をしている暇はないんじゃないかと思いますが。

松下村塾に戻った文さまと為八。ここで史実イベント発生。蟄居中の松陰に爆破テストを見せるため、背負うと言い出す為八。足を地に付けなければよいと、一休さんのとんちみたいなことを口走り、山根文季のコロリ菌で汚染された自分が背負うと言うのです。

私が代わりになると出しゃばる文。「おなごは危ない」と拒絶する為八。要は、「女はでしゃばるな」ってことですな。まぁ「女は」とは思いませんが「文は出しゃばるな」とは思います。為八は松陰と話をしているのであって、文は眼中にないのですが、世界は自分を中心に回っていると思い込んでいる文さまは気付いていませんでした。

文がでしゃばったり、為八が「父のつもりで」とか意味不明なことを口走ったのでグダグダでしたが、爆弾テストの際に為八が松陰を背負って見に行ったことは史実です。ドラマのせいでかえってウソ臭くなってしまいました。

そして河原へ到着。暗転したと思ったら、立ち上る黒煙。

えー、爆発シーンなしか。予算けちったか。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
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