大河ドラマ「花燃ゆ」 第4回 生きてつかあさい 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/01/25 22:13

今回もまた、中二病が重篤化した寅次郎が周囲に多大な迷惑を掛けた末に甘やかされるというお話。内容は大して面白くないのですが、長塚京三のおかげで割としまっていました。

寅次郎の密航失敗の知らせに動揺する杉家。キレキャラ文之進は「寅次郎を討ったのち自分の腹をかき切った!」と、無駄に梅太郎を責め立てて追い詰めます。

思い詰める梅太郎。脇差しを携えて仏間に向かう梅太郎。その梅太郎に話しかけ、切腹を思いとどまらせる亀。近年は何でもかんでもセリフで説明しちゃうのに、珍しく直接的なセリフなしで登場人物の心情を描写。やればできるじゃないですか。

去年の脚本&演出のレベルなら、
文「兄様が切腹しちゃう!」
亀「切腹はおやめくださいまし」
梅太郎「分かった。切腹は止める」
くらい安いやりとりを見せられたことでしょう。 一方、寅次郎は下田の平滑牢に収監中。ここから、平滑の番人、金太郎から話を聞く伊之助、罪人たちに自ら語る寅次郎の回想という形で密航エピを展開。がんばって凝った作りにしたかったんでしょうが、とっちらかっているだけで大失敗。金太郎と伊之助の会話+回想シーンだけで十分だったのでは。春風亭昇太の平六が無駄にがんばりすぎてウザいくらい存在感出しても、伝馬町の罪人の出番はこれで終わりですし。武田信玄みたいな牢名主も、ただ出てきただけだし。

浦賀奉行所支配組頭、黒川嘉兵衛は、寅次郎の罪を軽くしてやろうとしてくれます。が、今回もまた人の好意を踏みにじり、自分のイタい行動を全てゲロする寅次郎さん。伝馬町の牢屋でも「死罪となってこの企てが天下に露見するならそれも本望。それこそが義の始まりである!」とか言い出します。

あー、国が禁じているのに尖閣諸島や竹島に上陸しちゃって得意がってるイタい人と同じ思考回路ですね。本人は壮挙だと思ってるんでしょうがね。ま、こんな小学生みたいな寅次郎君も、もうすぐ大人になります。

嘉永7年(1854年)8月25日、篤太郎(希家)誕生。

翌月、伊之助が江戸から萩に帰還。本来なら死罪の寅次郎は蟄居ですみ、また甘やかされます。予想外の寛大な処分に大喜びの杉家。

アゲた直後にサゲる。お城では、藩としての寅次郎の処分をめぐってミーティング中。公儀の意図を深読みし、寅次郎への厳罰を主張する椋梨。さあ大変。

まだ杉家的にはハッピーなはずなのに、パパのピンチを感じるニュータイプな文。ナレーターに強化されたのか?

パパはというと、ふらっと寿のところに行ってお守りを置いて帰るなど、死亡フラグ的な動きで文を不安に陥れます。そして、やはり切腹するつもり。

「わしは凡庸じゃ」と語る百合之助を演じる長塚京三はとっても非凡。『篤姫』のときとカブる面は否めませんが、やはり父親役の長塚京三はいい。名原作がありながら幼稚な脚本でガッカリ感もひとしおの『篤姫』にあって、長塚京三が「おかつの父で愉快であった」と語る場面は忘れられません。『篤姫』数少ない名場面でした。

そこへ、大河では割といい仕事をする梅太郎が沙汰を知らせにやってきます。パパの切腹願いも差し戻され、一件落着。

10月、寅次郎が萩に到着。「あんなに旅の好きな子やったのに。二度と外へ出られんなんて」と寅次郎を哀れむ滝ですが、寅次郎の中二病に巻き込まれた金子君はもっと気の毒。寅次郎は外に出られるけど、金子君は獄死しちゃうし。って、また寅次郎は助かって、周りの人間だけ不幸になるパターン……。

あれ、井川遥の出番は「手」だけなのにクレジットされるんだ。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
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