大河ドラマ「軍師官兵衛」 第11回 命がけの宴 感想

カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/03/16 22:38

今回は、佐々木道誉宇喜多直家のシーン以外は退屈でした。残りは、官兵衛がわめいているか、秀吉の話としてはあまりにも有名な、北国戦線無断撤退&ぱけっぱちパーティーのエピソードで、特に目新しさはありません。

しかしひどい脚本。岡田准一が気の毒になります。

アバンは、あらためて天正4年7月の木津川の合戦についておさらい。ちなみに、織田が負けたのは第一次。第二次木津川の合戦では織田が勝っています。このとき織田方は鉄甲船を使ったというのが通説ですが、鉄甲船については疑問視する声もあったりして、本ドラマではどうすることやら。 織田の敗北に動揺する黒田家中。が、秀吉からの「京まで来たよ」メールで一安心。

が、秀吉が越前に回され、播磨入りは延期。これを直接伝えるため、半兵衛が黒田家を家庭訪問。焦る官兵衛はわめくだけ。これに対して、冷静に官兵衛のミッションのヒントを与える半兵衛。官兵衛さん、今回もまた半兵衛の引き立て役です。

焦るあまり、光にまでわめきつつ上月景貞へのわたりをつける官兵衛さん。

で、上月城訪問。すると、時間短縮のため好都合なことに陶晴賢宇喜多直家から出向いてきてくれました! そして始まる陣内孝則オンステージ。相変わらず、大して演技がうまいわけでもないのに、存在感で主役を食っちゃいます。『毛利元就』で陶晴賢をやったときは可もなく不可もなくといった感じの陣内さんですが、クセのある役をやると妙にはまります。佐々木道誉のインチキ臭さとは別の意味でうさんくさい直家を見事に演じていました。

そして飲み会開催。ここで織田に内通していた内藤平八郎が毒殺されて一同びっくり。直家のすごみが伝わる一幕でした。

陣内孝則の怪演もあって、直家登場~退場までは久々に見応えのあるシーンでした。

ドラマではカットされていましたが、ノベライズによると内藤と通じていたのは半兵衛で、この件について語り会う秀吉と半兵衛のくだりがあります。

また、ノベライズのみのシーンとして、秀吉の播磨入りが後れていることに業を煮やした政職さんがメールを出して内通しようとし、ますます追い詰められる官兵衛。

で、荒木村重にヘルプを頼むことに。摂津に来た官兵衛主従が行き会った、キリシタンの葬列。彼らが掲げていた「IHS」の旗は、イエズス会の紋章ですね。

荒木村重とのシーンは、高山右近の顔出し、官兵衛とキリシタンの第2の出会い、本願寺戦による村重の屈託、だし再登場(いらない)ってとこでしょうか。だしが出てくると一気に間延びするなぁ。

ドラマは、官兵衛を無視して太閤記に。勝家と決裂して撤退、叛意がないことを示すためのパーティー開催の話は太閤記の定番エピなので、あらためてみたいとは思わないのでスルー。ただ、秀吉の播磨行きにつながるエピではあるので、無用だとは思いません。単に退屈なだけです。

あいかわず、織田の内情をほぼリアルタイムで知った官兵衛は、長浜でのパーティーにひょっこり登場。姫路城から長浜城まで、現代の道路で約194km。徒歩だと40時間(Googleマップ調べ)。馬の使用や当時の道路事情、別所領を通ることなども踏まえて、まぁ3、4日ってところでしょうか。

ダダ漏れの織田の内情が安土から姫路まで伝わる日数も勘案すると、官兵衛がパーティー会場に乗り込むのはタイミング的にかなり厳しいのでは。ネットで調べて新幹線で駆けつけてきたんでしょうか。

で、官兵衛さん、激おこプンプン丸。

で、また竹中直人オンステージ。

というわけで、官兵衛は焦ってわめくだけ。木津川の合戦をフォローするため播磨の動揺を鎮める策を巡らすこともなく、半兵衛にヒントをもらって宇喜多を調略しようとして失敗し、コネを頼りに村重にヘルプを頼んで断られただけ。ここは官兵衛の奔走をやるべきだったのではないでしょうか。

半兵衛「それが、そこもとの役目でござろう?」

そういえば、Facebookページにも書きましたが、石山本願寺のシーンに映った仏像が阿弥陀如来ではなく釈迦如来だとツッコミが入ったそうで。

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これが問題のシーン。この直後に手前の顕如にフォーカスが映るので、仏像がまともに映ったのは1秒程度なので、よく気づいたなぁ、と。阿弥陀如来は基本的に両手を「オッケー」の形の印を結ぶので、そのつもりであらためて映像を見れば、確かに違うことは分かりますが……。よく気づいたなぁ。

あらためて調べてみると、浄土真宗の本尊は「立像の阿弥陀如来」で来迎印を結んでいるそうなので、ドラマに出てきた仏像は座像という時点でアウトだったようです。浄土真宗の信者のかたであれば一発で気づいて当然なのかもしれませんね。

2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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