大河ドラマ「軍師官兵衛」 第5回 死闘の果て 感想

カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/02/02 21:48

今回は織田中継からスタート。永禄10年(1568年)9月、信長上洛。厳正な治安維持令(一銭切り)で治安を回復します。もちろん、信長ウオッチャーの官兵衛は早速、実に正確に信長の政策&京の情勢をゲット。

続いて、武兵衛とお国の会話で官兵衛の有名なエピを語らせ、黒田のケチもとい倹約ぶりを描写します。不要品を下げ渡すのではなく払い下げることで、不平が起こらぬようにするというヤツです。ここの処理は自然でうまいな、と思う半面、いくら何でもあんなボロを払い下げなくてもよかろうに……。やはり倹約というよりケチに見えてしまいます。

と、武兵衛がナチュラルメイクでむしろ可愛くなった中川翔子とモジモジトークを繰り広げているうちに月日は流れ…… 再び信長中継が入ります。永禄11年(1568年)10月。義昭が将軍に就任し、信長に副将軍をオファー。それを拒否って堺、大津、草津に代官を置きたいと希望。と、信長モノで見飽きたエピが展開されます。演出も演技も平凡で、特に見るべきものはありません。

それにしても、近年まれに見る「普通」の義昭さん。このまま普通街道を邁進するのか、キャラを壊していくのか。吹越満ですし、やはり義昭さんからは目が離せません。

ここで、ノベライズのエピが大幅にカットされています。後の展開につながる部分もカットされている点が気になります。

まずは、信長と義昭のやりとりの後。信長が光秀に「あまり(義昭を)図に乗らせるな」と脅します。続いて、播磨が義昭の将軍就任に反応するくだり。娘を義昭に差し出すという赤松政秀に焦る小寺政職。それに対し、将軍より信長とよしみを通じるべしと説く信長ヲタの官兵衛。が、却下されて小寺は義昭に馬を献じることに決定。

続いて、官兵衛がその諜報機関善右衛門を訪ねると、おたつのいとこ文四郎を紹介されます。で、この文四郎を手足のごとく使ってくれと言う善右衛門。こうして、官兵衛の諜報機関が世代交代するわけですが、ドラマではこのシーンをスルー。はて、大丈夫か?

そしてドラマと同様、ノベライズもの三顧の礼シーンになります。これまた見飽きたエピです。ので、非常に退屈です。

そう、このドラマ、とにかく織田パートが退屈なのです。

基本的に、戦国モノで三傑(信長、秀吉、家康)を中心にしたエピソードは目新しさがなく、手垢がつきまくっています。見たことがあるシーン、聞いたことがあるセリフばかりになりがちです。私が戦国モノに対して評価が辛いのは、まさに見たことがあるエピを繰り返し見ているだけでつまらないからなのです。戦国モノでも『毛利元就』が好きなのは、三傑が一切出ず、西国の情勢をがっつりやっていたからでした。

三傑に手を出すなら、相当な覚悟を持って臨むべきでしょう。が、やり過ぎれば「何じゃこりゃ!」と酷評され、スタンダードを目指せば「目新しさがない」ということに。このバランスを取るには、高いセンスで練りに練ったセリフと演出と演技が欠かせないわけですが、『軍師官兵衛』の織田パートは、セリフも演出も演技も全く平凡です。これならない方がいい。本当につまらない。

残念中継終了。

姫路では、松寿丸誕生。兵衛'zには彼の存在が欠かせません。で、このベビーを囲んで武兵衛とお国が公認カップルに。武兵衛の死亡フラグの土台を出演者総出で踏み固めます。
永禄12年(1569年)5月、3000の赤松勢を黒田が撃退。翌6月、赤松が再侵攻。

迎撃準備で大騒ぎの姫路城で、武兵衛がお国を呼び出します。ああ、武兵衛……あのセリフを言ってはイカン!

武兵衛「戻ったら、祝言を挙げよう」

つくづくテンプレ通りのドラマです。

政職さんはさっさと撤退し、黒田勢のみで赤松を防ぐことに。友氏、小兵衛、武兵衛らが討ち死にしたものの、赤松の撃退に成功。武兵衛の死亡シーンは、ノベライズよりもドラマの方が良かった。ここはグッジョブ。

赤松戦後、KRD24に新メンバー、井上九郎右衛門と太兵衛が加入して今回はおしまい。

ところで、オープニングでは放射脳っぷりで醜態さらしまくりかつ猪瀬より(金銭疑惑的に)2倍知事にふさわしくない老害のご先祖様、細川藤孝がクレジットされてましたが、どこに出ていたのやら。ま、信長と義昭のシーンなんでしょうが、完全に置物状態ですなぁ。

2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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