大河ドラマ「八重の桜」 第42回 襄と行く会津 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/10/20 21:30

今回は、パック旅行みたいなタイトルですが、ノベライズでのタイトルは「故郷への旅」。シンプルなノベライズのタイトルの方がよかったような。

物語は、有名な「岐阜事件」から。明治14年(1881年)11月9日に自由党総理に就任した板垣退助は、明治15年(1882年)4月6日、岐阜の中教院で演説。その後玄関の階段で相原尚褧に刺されます。

板垣「わしが死んだち、自由は死なんぜよ」

とまぁ、ドラマではかの有名なセリフを土佐弁で発していましたが、実際にこのセリフを言ったのは内藤魯一で、板垣は「声も出なかった」(と、板垣自身が書き残す)とか、諸説あったりします。確かなことは、自由は死ななかったが板垣も死ななかった、ということです。 岐阜事件を単なる挿話とせず、ニイジマジョーを絡めてくるとは。新島襄が初対面の板垣の見舞いに行ってミルクセーキを振る舞ったのかどうかは知りませんが、新島襄と板垣には親交があったので、2人を会わせること自体は変ではありません。

板垣「会津の武士はよう戦うた。けんど、領民の多くは、戦を傍観するばっかりで、なんちゃあやらんかった」

ここで板垣に語らせた内容は事実ですが、会津だけの話ではなくてこれが江戸時代の当たり前の姿だったわけで。

この板垣との会見で思うところがあり、ニイジマジョーは夏休みの伝道旅行を会津行きに決定。明治15年(1882年)7月に、徳富猪一郎、伊勢時雄らを伴って安中へ行き、さらに八重たちと会津まで行っているのは史実通り。で、7月7日に長野で新島襄と徳富が蕎麦の大食い競争をやったことも史実。新島が12杯、徳富が11杯だったと後に新島が八重に語っていますが、これはドラマでセリフとして利用していましたね。なお、徳富は、徳富が9杯半、新島が9杯だったと書き残していて真相は歴史の闇の中へ……。

7月11日、海路で横浜から安中に入った八重、みねとジョーらが合流。

徳富と別れた一行は、7月27日に会津入り。八重の格好はどこでも浮きまくり。宿の女中にも怪訝な顔押されます。字幕では、女中が「偉人みでぇな格好だげんじょ、口を開けば会津の言葉のおがしなお客さん」と言っていましたが、「偉人」ではなく「異人」が正解。字幕は時々字が間違っているので困ります。

さあ、ここから回想祭り。回想が延々と続くので普通はうんざりするのですが、会津戦争前のシーンはそれはそれで来るものがあります。

一行は、山本家跡地を目指します。鶴ヶ城は破却され、城下も焼け野原。前の住所も分からなくなっている始末。そして、角場発見! ここからの回想シーンは泣ける。会津でのなんやかんや。それを思い出す八重も、もう37歳ですからねぇ。

で、お吉、徳造と再会。さすがにご都合主義の匂いが強くなってきましたが、まぁ旧知の人物が出てこないと詰まりませんからね。そして、芋づる式にうらの消息も判明。さすがにご都合主(以下略)。そして、諏訪神社でうら発見。

ドラマでは、うらに会いに行くのになぜ諏訪神社?とか、八重の「ずっと、みねの無事を祈っていてくれたんだべ?」というセリフが唐突ですが、八重のセリフは、この前にカットされたくだりがあったのです。

八重「お吉から聞いた。姉さまは、毎月7日には、必ず諏訪神社を参ってると。7日は私達が京都に発った日だ。ずっと、みねの(以下略)」

というわけで、この日は8月7日? 劇中では日付は曖昧にされてましたが、7月27日から8月7日まで会津に滞在しっぱなしでは不自然だったからかも。しかも、宿に戻った八重はニイジマジョーにうらとの再会の話をするわけですが、新島と時雄は8月1日には八重たちと別れて山形に向かっているのです。つまり、8月7日には会津に新島はいなかった! まぁ、ドラマなんで別にいいのですが。そして、京都に出発した日を10年以上覚えていた八重の記憶力に乾杯。

みねが嫁いだと聞かされて喜ぶうらのくだりとか、なかなか良かった。やはり「親子の再会」シーンは鉄板。

ノベライズだと、他にも覚馬が迎えに来なかった(行けなかった)理由を説明しようとする八重をうらがさえぎって、「会津で生きでいぐ。そして……いづが会津の土になる」と決意を変えないうらなど、ちょいちょいセリフがカットされていることが分かります。

転じて場面は山川家へ。バッチリ洋装をキメた捨松が帰国。水原希子は好みじゃないので綺麗だとも思いませんが、とにかく当時の日本じゃ浮きまくりそうな雰囲気はよく出ていました。ちなみに、捨松にビビって泣いていた子は、山川常磐の子で5歳の重晴。ちなみに、この重晴の兄弟である戈登(読みは「ゴルドン」!)とが、山川浩の男爵家を継いでいくことになります。

2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
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