大河ドラマ「八重の桜」 第8回 ままならぬ思い 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/02/24 21:57

文久3年(1863年)3月、家茂が上洛して孝明帝に拝謁し、攘夷を約束させられます。229年ぶり、家光以来の将軍上洛であり、これだけでもかなり異例な出来事。

一方、会津藩は人手不足解消策として壬生浪士組を使うことに。今回は取りあえず、近藤、土方、斎藤の顔見せって感じですね。時尾の失恋話と斎藤一の初登場……一応合わせてきたのかな?

で、場面は会津へ。斎藤一の未来の妻、時尾は大蔵の祝言情報に動揺。そしてついに秘めていた思いを八重に打ち明けます。まー、視聴者はみんな分かってた訳ですが。

時尾「仕方のねえ事って、いっぺえあんな

今回のテーマのようでもあり、普通に人生そのものでもあるようなセリフです。 5月10日、家茂が約束した攘夷の日ですが、実際に行動したのは長州のみ。下関海峡で米商船を砲撃します。井の中の蛙というか、攘夷ができると思っているとは愚かな連中です。と、未来人の私が偉そうに長州を馬鹿にするのはナニですが、攘夷を実行したのが長州だけということは、同時代人でも多少目が見える人々にとって攘夷が非現実的であったことは自明だったのでしょう。

5月20日、姉小路公知が襲われ、事件への関与が疑われた薩摩が失脚。朝廷は長州派の手に握られます。

とある宿で桂小五郎らが密談をしていると、浪士組が宿の検分に。逃げる長州藩士。もちろん、逃げの小五郎も逃亡成功です。その後、小五郎、久坂玄瑞、真木和泉、三条実美が長州派ミーティング。加藤保憲が容保に式神をうちそうな勢いです。

会津では、上洛を控えた大蔵が山本家を訪問。借りていた本を返すからといって大蔵を引き留めて本を取りに行く川崎先生。八重と大蔵を2人にするための時間稼ぎ? というのは考え過ぎかな。

大蔵「京で、会津を思う時には、きっと真っ先に八重さんの顔が浮かぶ。あなたは……会津そのものだから」

大蔵、思いっきり告ってるじゃん。

と思ったら、

八重「あれは、なんだったんだべ。おがしなごど言って……」

えっ。

京では、長州派が会津排除に動き出します。容保を京から遠ざけるため、容保を江戸に下向させようと画策する三条実美。帝の反論は三条に退けられ、容保に勅命が下されます。

が、孝明帝も三条に反撃。近衛忠熙を通じて容保へ帝メールを送信(いわゆる「孝明天皇宸翰」ではないけど)。

こうして偽勅の話が真実であったことを知った容保。さらに読み進めた容保が衝撃を受けるところは、ちと大げさだったけどよかった。

容保「これ即ち、朕がもっとも会津を頼みとするゆえ……もっとも会津を……主上は、それほどに我らを頼りにしておられるのか」

涙する容保。まぁ、帝メールでこんなこと書かれたら泣くよなぁ。

数日後、頼母上洛。もう、最悪のタイミングですな。彼はまず言路洞開からの方針転換を指摘。ノベライズには、言路洞開への回帰を進言して容保に退けられる下りがありますが、ドラマではカットされていました。

そして、あらためて京都守護職退任を進言。

容保「損な役回りゆえ、放り出せというのか?」

頼母「そのために会津が滅んでも良いと思し召すか

御家訓を持ち出した容保に対し、容保が養子だから御家訓にとらわれている
と指摘。

頼母「そうまで拘られるのは、殿が他国よりご養子に入られたお方ゆえ。会津は潰させませぬ!

もちろん、これまでも養子であるがゆえにより会津の藩主たらんとしてきた容保の一面は描かれていましたが、これを家臣に指摘されては立つ瀬がありますまい。また、この1点を除いても頼母の進言・諫言が受け入れられない状態になっていることは自明。上洛組みと頼母は完全に別次元の思考法になってしまっています。

覚馬は、との飲み会で大局的な視点・思考を要求されます。

勝「十年後、百年後、この国も、ちっとはましになるだろうよ」「象山先生や、死んだ寅治郎さんは、遠い先の日本まで、思い描いていたぜ」

容保は、主上を一藩を賭けてでもお守りすると誓っている。会津を超えたレベルで思考する人々に、会津のことしか考えていない頼母の声など届くはずがない。

で、容保の怒りを買い蟄居に。まぁ、ドラマでは描かれませんでしたが頼母は上京すると藩士に帰国を説くなど、国家老の分を犯すような言動もしていたようなので家老職解任と蟄居処分は仕方がないかも。

昔から、会津戦争物といえば主役級の扱いの頼母ですが、白河口の戦いでは「圧倒的少数」の新政府軍に白河城を落とされる軍事能力やら時宜を外した守護職辞退&辞任進言など、単なる頑固な無能に見えるのは気のせいか……。

7月、会津は御所で信長以来、大河ドラマでは「江」以来の馬揃えを行うことに。「江」の馬揃えはどこかの地方の村おこしレベルのショボい武者行列みたいなみすぼらしさでしたが、さて、今回はいかに。

三条の差し金で、いったん延期と伝えられた馬揃えが急に開催されることに。が、策略に気づいた秋月、覚馬らの奮起で体制を整え、無事整列。御衣で作った陣羽織にニッコリの孝明帝と、天覧馬揃え成功に残念な三条さん。馬揃えはもう少しエキストラの数がほしかったかな、という面もありますが軍事デモンストレーションとしては上出来。「江」の馬揃えは大して供も連れていない武将がタラタラ行進してるだけだったもんなぁ。

会津では、蟄居中の頼母が桜の毛虫取り。正直、頼母にはお似合いのお仕事。
頼母「桜守りの爺にでもなっか」

西田敏行が言うと違和感ありませんが、あんたまだ数え34歳……。

頼母「官兵衛同様、謹慎の身どなったわ。腕があっても使う場所がないどころは、八重と同じよ」

「腕があっても」?

2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
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