『八重の桜』に登場しそうな銃まとめ(火縄銃からスペンサー銃まで)

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/02/20 22:07

『八重の桜』で描かれている時代は銃器が急速に進化した時期でもあります。劇中でも、覚馬が持ち帰った「ゲベール銃」、八重が使用した「スペンサー銃」が既に登場していますが、当時の日本にはそれ以外にもさまざまな銃が入ってきていました。その結果、第1回で新式銃として覚馬が会津に持ち帰ったゲベール銃は、戊辰戦争時には時代遅れの旧型になっていました。

というわけで、当時の銃の一部をまとめてみました。なお、『八重の桜』には絡まなそうな「シャスポー銃」「マルティニ・ヘンリー銃」「ヘンリー銃」「ドライゼ銃」などは除外しました。また、今回は戊辰戦争までを前提とし、『八重の桜』後半の西南戦争や日清・日露戦争はとりあえず考慮しません(村田銃がどーとか、物語には関係なさそうだし……)。

昔ながらの火縄銃からスペンサー銃まで、主なものは以下の通り。「使用者」は、戊辰戦争時の状態をザックリと表現したものです。
































































  装弾方式 ライフリング 装弾数 有効射程 使用者
火縄銃 前装式 なし 1 50m  
ゲベール銃 前装式 なし 1 100~300m
ヤーゲル銃 前装式 あり 1   白虎隊
ミニエー銃 前装式 あり 1 600m 会津藩他
エンフィールド銃 前装式 あり 1 1100m 新政府軍の主力
スナイドル銃 後装式 あり 1 820~1200m 佐幕派、倒幕派諸藩の一部
スペンサー銃 後装式 あり 7 700~820m 山本八重、幕府歩兵隊、佐賀藩のごく一部


装弾方式の「前装式」は、いわゆる「先込め式」のこと。銃口から弾と火薬を入れて棒で突き入れて装弾します。「後装式」は、「元込め式」ともいい、後ろから弾を入れます。近代的な銃は全てこの方式。

「ライフリング」は、銃口内に螺旋状の溝を切ること。この溝があると弾に回転が加わり、命中率が向上します。当然有効射程距離にも影響します。

表中の「有効射程」は諸説あるので、ここでは目安程度に考えてください。

第7回で八重と尚之助が試作していた銃は後装式でした。これは「スナイドル銃」に相当する仕組みです。スナイドル銃は前装式のエンフィールド銃を後装式に改造したもの。イギリスでは1863年(第7回時点)ごろには製造が開始され、1866年にはイギリス陸軍が制式採用します。八重&尚之助、ちょっと最先端を走りすぎ?

八重が使ったスペンサー銃は、装弾数「7」の連射性が魅力。もっとも、日テレ『白虎隊』ではスーちゃんが10発以上連射していたような気がしますが。