大河ドラマ「平清盛」 第39回 兎丸無念 感想

カテゴリ:平清盛
日時:2012/10/07 21:04

今回は「兎丸無念」が正式なタイトルですが、新聞のラテ欄には「五条大橋の決闘」というキャッチが付加されていました。って、五条大橋のくだりはアバンだけじゃん……。それとも、兎丸の部分も含まれるのかなぁ。あそこは全然「決闘」じゃありませんでしたが。

で、アバン。『義経』のように重力を無視してヘロヘロと飛び上がる間抜けで無様なワイヤーアクションがなかったのは何よりでした。で、今回の五条大橋はコントチックな仕上がり。これはこれで嫌いじゃありません。

年格好と赤い衣のために、弁慶に禿と間違えられる遮那王。で、この弁慶は一体何歳なのか……。『平家物語』に従うと、弁慶の父親がこの時点でまだ42歳。というか弁慶がヒゲ面で強訴に参加した当時、父親はまだ17歳という有様なんですが。

で、弁慶に襲われた遮那王、SPEC発動で欄干に瞬間移動。そこへ禿大集合でうやむやに。あの禿は何がしたかったのか。

弁慶「何故わしが太刀など集めておるか知りたいか?」
遮那王「いえ特に
弁慶「冥土の土産に聞かせてやろう」
遮那王「まだ冥土へは参りませぬ

まぁ、弁慶的には牛若と再会できてよかったね。 承安2年(1172年)3月。福原では清盛が万灯会イベントを開催。そこへひょっこり再登場の西行登場。清盛と同年、数え55歳にはとても見えない若々しい美坊主です。

ここでひと歌。

西行は 忘れたころに やってくる

もとい

消えぬべき法の光の灯火を
かかぐる和田の
泊なりけり

万燈会に招かれて詠んだ歌なので、ここで西行が出てくること自体は正しいのですが……平家と源氏の間の傍観者として、西行にはもう少し使いようがあったのではないかと思うと残念です。時々出てきて歌を詠むだけなら、いっそ西行はナシでもよかったのでは。

都では、摂関ブラザーズが清盛への不満トーク。が、突然ビビる基房さん。

縁の下に禿!

これは怖すぎる。白塗りと相まって、もはや呪怨。制裁以前にビジュアルが怖いわ!

こうした禿への反感を清盛に直言する兎丸。清盛のやり方と兎丸の理想のギャップが拡大し続けます。

清盛「海賊の棟梁様は義にあつすぎて扱いにくいわ」

もはや、婉曲な粛清命令とも取れるようないいようです。まぁ、このセリフは単なる軽口に過ぎなかったわけですが。

同年9月、宋の明州からメール。それを読んじゃう元漁師の盛国。鱸丸、本当に立派になって……。これでさらにやる気マンマンの清盛、怪我人が出ても泊の普請を急がせます。これに異をとなえる兎丸。ついに決裂です。

兎丸「平家の餅なぞついていられるか!」

さて、ここからが今回最大の謎の始まり始まり。それとも、私は何か見落としましたかね?

まず、夜の五条大橋の下で愚痴る兎丸一味。ここで1人になった隙を突いて、兎丸は禿に粛清されます。

そして明るいので日の出後(朝? 昼?)、兎丸を探す荒丹波たちが清盛の前に現れます。荒丹波たちの目に入らなかったということは、兎丸の死体は五条大橋の付近から移動させられた?

が、清盛がいた場所ではカモメの声がしていました。ということは福原?(背景もいつもの福原の屋敷に見えた) 荒丹波たちは、五条大橋から福原まで、兎丸を探して回った? 五条大橋(京都府京都市下京区)から大輪田泊(兵庫県神戸市兵庫区)まで、歩きだと14時間半ほどかかるのですが(Google Maps調べ)。ちなみに電車だと1時間。関係ないけど。

で、清盛も兎丸探しに参加。で、清盛が兎丸の死体を発見

さてさて、位置関係がさっぱり分かりません。

兎丸はどこでSATUGAIされたのか。五条大橋の下で呑んでいて橋の上でSATUGAIされたので、現場は五条大橋と考えるのが自然です。

直前まで兎丸と一緒にいた荒丹波たちは、どこを探していたのか。福原で清盛と合流したとすると、死体の死体遺棄現場はどこか。清盛が兎丸を探して福原から京まで14時間も歩いた(しかも14時間は直行した場合)のは不自然なので、普通に考えれば清盛が探した範囲は福原の屋敷周辺でしょう。

死体が遺棄されていた現場近くの橋の上には、大量の赤い羽根と兎丸の遺留品。殺害現場を思わせるシチュエーションです。すると、この橋は五条大橋? あらためて遮那王&弁慶コントのシーンも見直すと、やはり五条大橋のセットと同じようです。

しかも、兎丸の死体発見現場は殿下乗合事件で基房さんがボコられた場所では……。

清盛、やはり福原から五条大橋まで歩いて兎丸を探しに来たの

まぁ、取りあえず兎丸の死体発見の様子から、清盛が禿というか時忠に粛清を命じたわけではなさそうです。時忠の指示でもなさそう。禿の暴走、というところでしょうか。

屋敷の庭でwktk顔の禿どもが何ともはや。兎丸の「ロクな人間にならん」は正しかった。

小兎丸は壇ノ浦で水軍を率いて寝返りそうだなぁ。考えてみたら、小兎丸は父も祖父も平氏に殺されたわけで。

大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
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