大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第33回 徳川の嫁

日時:2011/08/28 21:16

今回は江のシーンが非常に少なく、実に快適でした。特に「良い出来」ということもなく、全般的に月並みなのですが、不快感が大幅に低減されています。江(と向井秀忠)が画面に映らないだけでこんなに良くなるものなのかと、あらためて驚きました。

今回はまた、秀吉存命中はどこかに隠れていた豊臣恩顧の大名がワラワラと湧いてきます。まさに、「天から降ったか地から湧いたか」という感じ。そのため後述する通り三成との確執が唐突感に満ちあふれています。このあたりは知識で補完する必要があります。 アバン明けの本編は、家康が進めていた大名間の縁組みにブチ切れて詰問する三成から。慶長4年(1599年)1月の問罪使派遣のエピソードです。

特にキャスティングはされていませんでしたが、三成の後ろで横隊を成していた4人は残りの奉行かな? ちゃんと4人そろえるくらいなら、一応役名付きでキャスティングしてスーパーを入れれば、「XXXを出せ」と騒ぐ視聴者層を納得させられるのに。

このシーンでは、信長存命中にちょっとだけで出てきて以来行方不明、この期におよんで突然湧き出てきた利家が再登場です。しかも、和田啓作から大出俊へと配役変更という珍事付き。子役→本役は当たり前でも、本役→本役での変更はかなり珍しいのでは。スタッフに深慮あってのことかもしれませんが、「ノープランの露呈」とも取れる事態です。

ま、このシーンは珍しく大河らしい作りだったと思います。

三成の前に現れた官兵衛。三成に「力を抜け」とアドバイスして九州の所領に下向。関ヶ原の戦い時は東軍、つまり三成の敵として九州平定に動きます。

三成と官兵衛の会話で、朝鮮から撤兵してきた福島正則、加藤清正黒田長政を三成が出迎え場面が語られます。

三成が「茶の支度が出来ている」と言えば、「殿下(秀吉)の近くでのうのうとしていた」と言われ、「まずは湯で垢を落としては」と勧めれば、「ワシらは臭いか!」「さあ嗅げ」。これだけでは、礼を尽くした三成に正則、清正、長政が一方的に絡んでいるようにしか見えません。あれではあの3人がかわいそうだ……。

上方情勢がそれなりに大河ドラマしている一方、場面が江戸に変わると残念な雰囲気に。

最近、江の周りの人間は視聴者に代わって彼女にツッコむ傾向があります。今回は秀忠。

秀忠「そなたなぜいちいち首を突っ込むのだ

よく言った、秀忠。月代は全く似合っていないし現代語セリフが浮きまくりでお前も不快だが、このセリフはその通り。

江「私は世の中で何が起こっているのか正しく知りたいのです」

やれやれ、お前は知っても成長しないではないか……。

さらに、江戸では出産のための豆拾いトレーニング。何だこれ。
それはいいけど、豆を拾い終わった江、ガッツポーズしたな……。ポーズ自体は昔からあったとは思いますが、安土桃山時代の人がやったのかな?

ちなみに、ガッツポーズの由来はガッツ石松のポーズではなないとか。江がガッツポーズしなければ、こんなことは調べなかったなぁ。

3月、前田利家が死亡したことにより豊臣政権内のパワーバランスが崩れます。こうして発生したのが、加藤清正、福島正則、黒田長政、池田輝政細川忠興加藤嘉明浅野幸長の七将による三成襲撃事件。

これに対して三成が家康に保護を求め、結城秀康にガードされて佐和山城に戻り隠居します。有名なエピソードをそのままなぞったといったところでしょうか。実際には、三成は家康の屋敷に入ったということはなかったようですが。

ここも、急に出てきた加藤清正、福島正則、黒田長政らが唐突に三成を責め立ててるって感じです。1年も続くドラマなのに、「流れ」というものがなく、めぼしいエピソードを断片的につまみ食いするような脚本なので、とにかく人の動きが唐突です。初期から出ていた三成ですら、ハマグリ扇ぎ係から突然讒言魔にチェンジして唖然とさせられるくらいですしね。

またも場面は江戸。ごく普通に珠姫(後、前田利常室)が誕生します。若君誕生を要求する大姥局に、「次はおのこを生む」と言い切る江ですが、残念ながら次も、その次も姫が続く(勝姫、初姫)んですが……。このプレッシャーとそれに対する劣等感を、長丸や保科正之誕生による嫉妬→許しに転化する材料にするのかな? 陳腐ですが。

大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」キャスト(配役)
大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 三姉妹年齢年表
も第33回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。

江の子孫については、江の家系図もどうぞ。