大河ドラマ「功名が辻」 第23回 本能寺

カテゴリ:功名が辻
日時:2006/06/11 21:39

「本能寺がヘン」とは聞いていたが、大枠はそう悪くはなかった。以前から不安視されていた銃撃戦ってのも、違和感はあるがまぁ許容範囲。舘も悪くなかった。こういう本能寺もアリだろう。

というわけで、ツッコミはどーでもよい細かい点だけ。信長、射撃うますぎ。命中精度の悪い火縄銃で竹を束ねる綱を撃ちぬくとは。しかも槍は使わず西洋剣で切り込むとは。でも、まあよい。信長は武士だし。いくら個人の武勇を軽視していたとはいえ。

問題はお前だ、濃。強すぎ。刀で武士をバッサバッサと切りまくり。老けたあずみかよ。信長との会話シーンはなかなかよかったのだが、濃の殺陣にはちと萎えた。

信長の自刃シーンも悪くなかった。だが、半年前に受けた心の傷は深かった。信長が首を切った瞬間に「ドッカーン」と本能寺が吹っ飛びそうでハラハラした。 光秀謀反を察知して大活躍の千代には何もいうまい。取りあえず、初動のタイミングは早まったが、本能寺の変を受けて長浜城が対応に追われるところは、「豊臣家の人々」から。副田がオロオロするばかりで使えず、ねねが下知するところなどそのままである。

一方の高松城。一豊毛利への密使の遭遇には何もいうまい。その後の展開は、誰もが知っているとおり。それより、秀吉主従が並んでいるシーンになったときは、「清水宗治の切腹も実況中継か!?」と不安に襲われた。結局、清水宗治の切腹はあってもなくてもいいようなシーンで終わってしまったが。

原作(2巻)では、尼崎まで戻った秀吉は栖賢寺で休憩し、そこでニンニクを要求する。一豊主従は「秀吉麾下の他の将士よりもふんだんにニンニクを食い、鳥獣の肉を食った」とある。一豊が何かの肉を食い、皿にニンニクが乗っていたのはこの辺りを踏まえたものであろう。

ただし、一豊のテンションはまったく異なる。原作の一豊には信長への感傷はない。もちろん、光秀を慮るようなそぶりはまったくない(笑)。大いにニンニクを食い、来る明智軍との戦いで功名を立てることのみを考えている。実にさっぱりしたものである。