大河ドラマ「義経」 第28回 頼朝非情なり

カテゴリ:義経
日時:2005/07/17 22:27

今回は、2大おバカ大将の意外にまっとうな一面からスタート。

合コン番長重衡の処遇をめぐって意見が割れる源氏方。約900年ほど時代を先取りした人道主義者ヨッシーが、また大して思慮もなく助命を願うのかと思ったが、三種の神器との引き換えを提案。をを! 妥当な案じゃないか、ヨッシー。

そして屋島。物語上、常にまともな知盛と対立する宿命を負わされた宗盛だが、前回に引き続き今回も一族の総帥としては批判のしようがない決断を下す。が、以前のようないやらしさが薄まっているような気がする。こんなの鶴見宗盛じゃない~。

ここからは、名場面の連続であった。 重衡の鎌倉護送でようやくヨッシーと接点発生。鎌倉殿のもとで戦うことにした我が身を必要以上に(というか半分怒鳴りながら)熱く語るヨッシー。何か、必死だな。そんな感じでタッキーのテンションが妙ではあったがタッキーなんかどうでもよくて、淡々とした合コン番長がよかった。悟りきったような、さっぱりとした表情が実によい。

イマイチ活躍の場がなかった重衡というか細川茂樹であったが、ミキプルーン頼朝との対面も「重衡の見せ場」であることを十分意識した演技だったと思う。細川茂樹って結構ヤルのね。これだけで終わらせるのは惜しい男だ。え? 鎌倉殿も同意見っすか? さて、ここからどうやって南都住民への引き渡しとなるのか。少なくとも後1回、鎌倉殿への仕官を拒むシーンで重衡が見られそうだ。

義高の最後をめぐる処理は、割と直球勝負。今年の大河全般にいえることだが、ヘンに捻らない方が面白いな。オリジナリティを出すと絶対に失敗するもんな。

義高役の富岡涼くんもがんばっていたね。ヨッシーからの最期の言葉を聞かされるシーンも、首を差し出す場面も切なかったよん。大姫もかわいそうだった。「がんばって幸せになるんだよ」といってやりたいが、幸せになれないの知ってるしな。ところでちょっと待て、ヨッシーお前何やってるんだ? 第26回で女五足巴に「義高のことは命に代えても」とかほざいてなかったか、お前。確かに助命嘆願の意志は示したが、「命に代えても」ってほどのことはしてねーだろ。今すぐ巴のもとに行って切腹して詫びろ。

大河ドラマ 義経 完

頼朝の演出もよかったね。義高を捕らえたのが夜で、決断を下したのは明るくなり始めてから。頼朝はあそこにずっと座って一晩中葛藤していたのか。一連の場面では、安達盛長(草見潤平)もいい演技だったと思う。

そして、これが最後となるヨッシー vs. 鎌倉殿のタイマン。相変わらず「源氏がどうの、平家がどうの、一族の結束がどうの」と、硬直化した思想を繰り返すヨッシー。序盤までの聡明さはどこにいったんだ? 一方の鎌倉殿は「源氏も平家もどうでもよい」と一蹴。器の違いが明確になる。重衡を登用しようと思ったり、アンタでかいよ。>頼朝

やはり頼朝の思想が理解できない様子のヨッシー。あんなに丁寧に諭されても分からんのか? やはり、バカなんだな。

それ以外に、気になったトピックを2つ。

まずは祝大江広元登場。毛利氏のご先祖様ですな。次々にスルーされる御家人たちを鑑みるに、登場は絶望視していたのでちょっと驚いた。腰越状の辺りをどうするのか、もしかして大江の役は梶原景時で代用するのか? などと思っていたが、これで安心。

もう1つは、湛増とのアクロバチックな仰天コネクションイベント。オセロ(黒)登場かよ、また「なくてもよい」エピソードかよ、いらねーよ、引っ込めバカヤローなどと思っていたら、「熊野別当」という単語が聞こえて驚愕。うわっ! ムリムリなコネだなおい。