大河ドラマ「真田丸」 第30回 黄昏 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/07/31 23:15
壊れていく秀吉の痛ましさもさることながら、終盤では信繁にとってキツい展開に。祖母の晩年を見るようで胸が痛みます。

今回は慶長伏見地震からスタート。ドラマでは、加藤清正が伏見に一番乗りしたことが語られます。豊臣秀吉の不興を買っていた清正が真っ先に駆け付けて秀吉を助け出したという俗説に基づくエピでしょう。実際には、清正は伏見にはいなかったと考えられており、すると当然ながら地震のときに真っ先に駆け付けるのは不可能だったことでしょう。

ともあれ、台所など一部の建物を残して伏見城が壊滅してしまったため、壊れた伏見城から1km離れた木幡山に仮の建物を作って避難することになります。ここにあらためて伏見城を築くことに決定。木幡山に目を付けていた真田昌幸は喜びますが、軍事施設としての役割は排除され、昌幸プランは破棄されてしまいます。昌幸は城の普請から堀つくりに回されて再びションボリ。

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大河ドラマ「真田丸」 第29回 異変 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/07/24 23:23
認知症を発症した豊臣秀吉を軸に、さまざまな変化・異変が生じて豊臣政権の前途が揺らいできた第29回。が、各人の変化が必ずしも秀吉の異変と関係しているわけでもなく、全体としてはとっちらかった感じがします。

ではドラマ開始。秀次事件後、政治の中心は伏見に移されます。真田信繁も、伏見にて春と祝言を挙げます。

信繁がその報告に来た席上、信幸が母の出自を真田昌幸に問います。あ、その問題をまだ引っ張りますか。そしてついに、昌幸の口から(ドラマ上の)真実が語られます。

昌幸「菊亭晴季の娘ではない。侍女だ」
昌幸「決して人に明かしてはならんぞ」
信繁「私たちが知っていると母上のお耳に入ったら、母上も居たたまれないでしょうね」
昌幸「その前にわしが殺される」

その薫さんは、春のあいさつに満足げ。まぁ、円満で何よりです。

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大河ドラマ「真田丸」 第28回 受難 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/07/17 23:34
秀次事件決着回。死なねばならない理由がないのに死へと追い立てられる秀次という、悲劇性はトップクラス。あの好青年秀次退場は残念ですが、楽しめました。秀吉をブラック化させずに秀次事件を描ききったところもお見事でした。

ではドラマスタート。関白を放り出した豊臣秀次は、大坂城に潜伏中。そんな秀次を「関白ともあろうお方が、お考えがなさすぎます」と説教するきり。あれほどきりに求愛していた秀次までうっとうしがる始末です。

秀次の出奔に困惑した真田信繁は、取りあえず大谷吉継の耳に入れることに。その吉継は体調不良のご様子。ハンセン病発症?

稲は法度に従い、大名の正室として京へやってきました。それを迎えた薫は都住まいでニコニコです。最近の通説と異なり、公家の出を公言する薫さん。父の名を「菊亭晴季」と断言しちゃいました。あちゃー、やっぱり「あり得ない」と否定されている説をこのドラマは採用しちゃいましたか。と、思いましたよ。この時点では。

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大河ドラマ「真田丸」 第27回 不信 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/07/10 22:31
今回は、秀次事件に通じる重要回。豊臣秀次を疎んじるどころか、かわいがり、支えてやろうとする豊臣秀吉。それが全て裏目に出て、どんどん追い詰められていく秀次。これまでに見た秀次事件の中で最も切なく、秀逸な展開でした。

真田信繁は再び関白付きを命じられます。今回も辞退したものの、秀次を支えてほしいという秀吉の強い思いにより許されません。さて、が生まれた今、この秀吉は秀次をどう思っているのかと思ったら、「孫七郎はかわいい甥っ子」と言います。あいつをどうにかしてやりたいと笑顔で話す秀吉。おや、これは本心っぽい。

秀次がご機嫌伺いにやってくると、秀吉がツーショットに誘います。九州だけ拾にやってほしいという秀吉。秀吉に他意はなさそうですが、ビビってる秀次は信じてもらえていないとさらびビビる始末。両者の気持ちが微妙にすれ違い始めます。

そのころきりは、信繁を別室に連れ込みます。この時代、こんなことをしているとあらぬうわさが立ちますよ?

きりが側室話を打ち明けると、間髪入れず祝福する信繁。止めてほしいきりとよろこぶ信繁で全く会話がかみ合いません。ついに部屋を飛び出したきりですが、信繁が追ってくるのを待ちながら去るあたり、ウザかわいいことです。

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大河ドラマ「真田丸」 第26回 瓜売 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/07/03 23:16
今回は有名な名護屋城コスプレパーティー。このエピをここまで斜め上に掘り下げたドラマは初めてでしょう。女性陣の中で最も愛すべきキャラだったとりさんの退場回でもあります。普通に泣かせどころで終わらせないところが真田丸らしい。

天正19年(1591年)12月、失意の豊臣秀吉は関白職を豊臣秀次に譲り、太閤となります。ドラマでは特に描写はありませんでしたが、秀吉とお寧、茶々は大坂城、秀次は聚楽第に入ります。

きり口説き中の秀次は、側室軍団をきりに見せ、あらためて側室に迎えたいと再プッシュ。きりは父に伝えてからと、承諾の方向へ。ちなみに、娘もいるよという流れで出てきたたかは、後に真田信繁の側室になる隆清院。

秀吉はというと、唐入りを正式に表明。正気を疑う大谷吉継ですが、武士の失業対策というまっとうな理由付き。唐入りに驚き批判的な態度の吉継ですが、第19回加藤清正を九州担当とするのはこのときのためという感じで、既に既定路線化していたような。

こうして、前線基地として築城された肥前名護屋城に真田親子も出陣。真田信幸も独立した大名としての出陣です。

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大河ドラマ「真田丸」 第25回 別離 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/06/26 22:53
今回は、「利休の祟り」をキーワードに、鶴松の危篤~死亡(現在)と利休の切腹の謎(過去)をリンクさせて行き来するという、複雑ではないが忙しい展開。薫と片桐且元の薬つくりをサイドストーリーとして展開させつつ、豊臣家の変化(秀長死亡、秀次の覚悟完了、鶴松の死)が描かれます。

場面は天正19年(1591年)8月4日あるいは日付が変わった5日の淀城。病床のお捨改め鶴松に見舞客が大挙訪問。真田信繁平野長泰は客の選別を石田三成大谷吉継に命じられます。そして、鶴松が「今夜が山田」状態であることを知らされます。

すると、利休の祟りではないかといううわさがあると言い出す長泰。この人、すっかりうわさ好きキャラを確立しました。というか、祟りって……ああ、切腹は2月でしたね。鉛ネタでフラグを立てておきながらスルーですか。と思ったら違いました。

そして回想スタート。三成たちは信繁が見つけた鉛の件を利休に問いただします。すると、豊臣秀吉からの信頼が厚いことを盾に、平然とする利休。そこで病身の豊臣秀長に対応を依頼します。

秀長「どうやら、これが最後のご奉公になりそうだ」

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大河ドラマ「真田丸」 第24回 滅亡 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/06/19 22:45
時に顔芸がオーバーアクト気味な高嶋政伸ですが、やはりいい役者さんだと思わされる第24回。他のおっさん軍団の芸も細かくて、小田原開城後は見応え十分。真田昌幸の野望全開から伊達政宗の餅つきに至る流れも笑えます。

ではドラマスタート。開城反対派に囲まれた真田信繁は、小山田ヒゲ誠の案内で蔵に身を隠します。ここでこの非常時にのんびりヒゲ誠の経緯トークを展開。

ヒゲ誠「長かった?」

うん。

そして松の生存を伝える間もなく北条氏政の下へ案内される信繁。案の定、捕まります。

氏政「北条がどれだけ真田に振り回されてきたか、知らぬ事はあるまい。ようぬけぬけとわしの前に姿を現せたな」

ですよねぇ。板部岡江雪斎は「しがらみのない者の言葉にこそ、人は心を動かす」などと言いますが、信繁はバリバリの当事者。大本は氏政が豊臣秀吉に臣従するか否かの問題だったとはいえ、小田原征伐の直接の原因は沼田問題。「真田のせいでこうなったんだ」と逆恨みされても仕方がありませんし、平常心で真田の言葉を聞けるとは思えません。

が、さすが俺たちの信繁様。氏政すら信繁のお言葉を聞く気になってしまいました。

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大河ドラマ「真田丸」 第23回 攻略 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/06/12 22:59
小田原征伐開始! といっても、特にカタルシスもなくいきなり小田原城ピンチ。小田原城内は北条氏政北条氏直、板部岡江雪斎の3人だけで回している割には追いつめられていく焦燥感が出ていて良かったのですが、真田信繁が説得に行くという下りで冷めました。くだらん。

天正17年(1589年)12月、石田三成が北条攻めの陣立てを発表。もちろん史実通り、真田は前田利家上杉景勝が率いる東山道軍。徳川家康から軽く物言いがつきますが、碓氷峠から上野に入るルートは真田の本領。真田は東山道軍がよいという三成の論理で解決。

三成的には、まだ信用しきれない徳川に真田を付けたくないという裏もあるようですが、実は「べ、別に真田のために東山道軍にしたんじゃないんだからね!」的な面も、このドラマの三成にはあったかもしれません。

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大河ドラマ「真田丸」 第22回 裁定 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/06/05 22:39
ミステリ仕立ての第20回に続き、今回は法廷劇。ドラマが単調にならないように、ちょいちょいと変化球を入れてきます。やり過ぎると時代錯誤感が出てギャグになってしまいますが、ギリギリのところで歴史モノの範疇に踏みとどまる絶妙なバランスがすばらしい。

まずは型通り、原告(北条:板部岡江雪斎)と被告(真田:真田信繁)がそれぞれ所有権を主張。

片桐且元が沼田城の概略を説明し始めると、「長い!」と豊臣秀吉が一喝。いや、それほど冗長ではなかったと思うけど……。

そして、「なぜ沼田城に拘る?」と秀吉が疑問を呈すと、石田三成が且元にパス。

秀吉「ちっ」

そんな、嫌そうな顔しないであげて!

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大河ドラマ「真田丸」 第21回 戦端 感想

カテゴリ:真田丸
日付:2016/05/29 22:29
第21回もまた、お笑いシーンと濃密なおっさんシーンを入れつつ、真田信繁をからませるという虚構とともに板部岡の上洛という史実を盛り込んできました。

関東以西を平定した豊臣秀吉にとって、北条の上洛(つまり北条の臣従)は最重要課題の1つ。捨を抱いた秀吉は、「ヒソヒソ」と北条に怒ります。ヒソヒソと怒るくらいなら捨を誰かに任せろよと思ったら、よりによって信繁に渡します。

「討ち滅ぼすか」とこともなげに言っちゃう秀吉ですが、石田三成は武力行使を諫めます。が、結局北条攻め決定。

対北条強攻策の背後に、誰かの入れ知恵の存在を感じる三成。案の定、「おやりなはれ」と利休が秀吉をたきつけていました。「乗るしかない、このビッグウェーブに」って感じです。

一方、戦国ガールズは、捨を囲んでガールズトーク。今回もまた、北政所と茶々の仲は悪くないように見えます。

北政所「殿下に似てまったら2代続けてサルだがね」
茶々、阿茶局「……」

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