大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第16回 関白秀吉

日付:2011/05/01 20:17
今年の大河ドラマを安っぽく見せている要素の1つが、「登場人物の出し方」です。唐突に登場する新キャラ、そして必要がないのに絡んでくる江(最近は三姉妹セット)。とにかくからめたいという作り手の意図が露骨すぎて興ざめしてしまうのです。

秀吉の家族と三姉妹をムダに会わせたのも、旭と甚兵衛の離縁、旭と家康の結婚に三姉妹(江だけか?)をかかわらせるための伏線ってのがミエミエです。

で、このタイミングで「将軍になる!」宣言。何んじゃそりゃ。

まぁ、秀吉が将軍になりたいってのはまぁいいのですが、なぜそれを12歳の江に相談するのか。

さて、ここからは史実としては否定されている俗説ベースで展開します。

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第15回 猿の正体

日付:2011/04/24 20:43
今回は、第3回 信長の秘密と対を成す話です。まず、見ての通り「信長の秘密」「猿の正体」と、タイトルが相似形です。ストーリーも、江が信長秀吉の関係者にインタビューしてさらに混乱し、利休にまとめてもらって、本人と直接対話することで自分なりの回答を出す、という構造。「対を成す構造」というと凄そうですが、単に脚本家の引き出しが乏しいだけかも。まぁ、どっちでもいいことですが。

引き出しといえば、冒頭で茶々が江の髪型チェンジにコメント。髪型にこだわりますね。この分だと、江が御台所になったあかつきには、江の髪型検討会議も開催されそうです。これを恥ずかしげもなくやったら、むしろ脚本家を尊敬しますね。もう、引き出しが足りないなんていいませんよ。ええ。

なお、今回は天正13年(1585年)のようです。江は数えで13歳。誕生日が来ていれば満12歳です。秀吉が「紀伊を取った」と言っていたことから、紀州征伐が完了した天正13年4月以降であることが分かります。四国攻めも行われており、優勢であることも語られていたので、4月から7月の間といったところでしょうか。

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第14回 離縁せよ

日付:2011/04/17 20:30
毎回、印象に残ったことやツッコミどころをメモりながら録画を観ているのですが、今回は気がついたらメモがたったの5行しかありませんでした。まずい、書くことがありません。

取りあえず、北大路家康。「あれ以来」とかいって今ドラマの黒歴史、神君伊賀越えを思い出させないでください。

小牧・長久手の戦いは基本対陣戦だから、戦闘シーンは期待していませんでした。中入りも豪快にはしょるだろうとは思っていたのですが、秀次出発シーンの直後が帰陣シーンなのには笑いました。面白すぎる。そして予想通り、池田恒興、森長可の討ち死にはきれいさっぱりスルー。セリフにすら出てこないとは……。

秀次のシーンはなぜかスローモーション多用。この演出は意味不明です。切腹シーンもスローでやるのでしょうか。

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第13回 花嫁の決意

日付:2011/04/10 21:13
今回は、佐治一成との政略結婚を秀吉に告げられた江が、反発と葛藤を経て受容し、ご機嫌で嫁ぎ、慶喜佐治一成と初対面を果たす、というお話。これ以上のものではないので、今回のネタもこれにて終了でもいいのですが、一応気になったところをコメントしておきますか。

ちなみに、今回で江は数え12歳、(誕生日が来ていれば)満11歳です。

しかしまぁ、だんだんどうでもよくなってきたな……。

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第12回 茶々の反乱

日付:2011/04/03 22:06
「茶々の反乱」。タイトルは勇ましい限りですが、何をやったかというと、わずか4日間のハンガーストライキ。戦国時代だというのに、のどかなことです。あの三姉妹は、まずは「食べない」という選択肢があることに感謝すべきですね。それもこれも秀吉様のおかげ。ありがたいことです。

低い身分から努力と能力と運で天下人一歩手前(天正11年時点)まで昇り詰めた秀吉。そのためには汚いこともやってきたでしょうが、まずは偉人と賞すべきでしょう。一方、ろくに躾もされず甘やかされて育ち、人に感謝することも知らず文句を並べ立てるしか能のない三姉妹。秀吉に養われている分際で猿・さる・サルを連呼。礼儀を学ぶ気配はありません。

三姉妹はこの時点では10~14歳の少女。この自己中心的狭量はむしろ微笑ましく見えてもよいのですが、ほうれい線が目立つおばさん+20代女優では嫌悪感をもよおすだけ。上野樹里の演技を叩く記事も散見されますが、ほかのどの女優がやっても10歳のわがまま少女を不快感なく演じるのは不可能。「ガラスの仮面」じゃあるまいし、「あの演技、まるで10歳の少女のようだ。恐ろしい娘!」なんてことはあり得ません。子役をキャスティングしなかった、あるいは少女時代を長く取ったドラマプロデュースのレベルで「詰んでいた」ということでしょう。このドラマの敗因は、女優の演技力でどうこうなるレベルを超えています。

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第11回 猿の人質

日付:2011/03/27 21:24
今回も一応メモを取りながら見たのですが、困ったことに大して書くことがありません。良くも悪くも印象に残らない回でした。

物語は、第10回の直後から。三姉妹を見た秀吉が「哀れよのう」とつぶやくのですが、いまひとつ感情が伝わってきません。ローティーンの女の子ならばともかく、あの三姉妹なら図々しく生きていけそうです。

そして始まる心霊コント。

江に信長の面影(というか信長登場)を見る秀吉。ま、この演出はいずれやるだろうと思っていたので想定内です。

続いて、三姉妹(江のみというべきか?)の夢枕に立つゴースト市。三姉妹が目覚めたところで消えたと思っていたら、まだ座ってる!

怖っ!!

第5回のタンデム信長が映ったときは笑いましたが、市は怖い。お願いです。成仏してください。

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第10回 わかれ

日付:2011/03/21 00:07
今回良かった点は、毎回トンチキな言動を繰り広げた戦国最強クラスのさげまん市が画面から消えてくれたことです。まぁ、「母は(ナレーターとなって)見守っておる」とは言ってましたが、ストーリーに絡まなければどうでもいいです。「保奈美無双」をやらかしそうな悪寒はありますが……。

あらためて市を振り返ってみると、この人は本当に縁起が悪い。嫁いだ浅井柴田の2家を滅亡させています。市の責任ではないのでしょうが、今回の大河ドラマに限って言えば、市にもかなり責任がありそうです。この人、とにかく自身の役目を果たしていない

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第9回 義父の涙

日付:2011/03/06 22:14
今回もまた、変な脚本で勝家が貶められているのが気になったところ。主人公の義父なんだし、もっとカッコ良く描いてあげればよいのに……と思ってしまいます。「この勝家では勝てるわけないよな」感に満ちていて、鬼柴田が気の毒でなりません。

着々と対柴田作戦を進める秀吉に対し、勝家は何をやっているかといえば手芸教室を開催したり、娘たちの顔色を窺うことばかり。今回は大地さんの耐える演技が悪くなかっただけに、残念です。

今のところ、秀吉は悪役(憎まれ役?)なので、何をやってもあしざまに罵られます。市&三姉妹は、秀吉と対立している勝家側の人間ですから、そう見える(描く)のは当然のことでしょう。ここが、特に秀吉と対立する立場になかった(はず)だった第7回以前とは大きく違うところです。

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大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第8回 初めての父

日付:2011/02/27 20:47
再婚相手に心を開かない連れ子たちが、ちょっとしたトラブルで継父(母)の真心を知り家族が一つになる。

まぁ、こんな安っすいドラマがあってもいいでしょう。しかし、時代劇でやる必要は全くありませんね。途中で何度か寝そうになりました。「江が戻らなければ与助が打ち首」ってあたりが、辛うじて時代劇風ってとこでしょうか。というか、コレを入れとけば時代劇になるとでも思ったのかな、脚本家大先生は。

鬼の権六の描き方は、どのシーンもいちいちガッカリさせられます。市&三姉妹の前だけというならともかく、家臣たちの前でも醜態をさらしまくり。これでは賤ヶ岳で前田利家に離反されるのも仕方がない。後半カッコよく見せるための「落としてageる」という安っすい手法がミエミエなのも見苦しい限りです。「みっともない」(by 初)。をを、初と初めて意見が合いました。

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「江~姫たちの戦国~」に見る、理不尽な秀吉嫌悪を考える

日付:2011/02/24 22:45
「江~姫たちの戦国~」で問題なのは、登場人物の心理が不自然な点です。まずは市&三姉妹の「直接的な言動」だけで主要人物に対する感情をまとめてみました。






















人物 コメント 感情
「織田家のため」と宣言して浅井に嫁ぐが、長政が信長を裏切った際に浅井に加担。それを棚に上げて、長政を攻め滅ぼした信長と秀吉を憎悪。
織田を裏切ったため肩身が狭いといいながら信長や織田家家臣に言いたい放題。
一方で浜遊びや香道、乗馬を楽しむなど、極めて恵まれた日々を謳歌。信長と和解した直後に本能寺の変が起こると、その仇を討った秀吉を嫌悪し、何もしなかった勝家に接近。勝家を勝たせるため、「武士の心で嫁ぐ」と宣言。
長政:ラブ
信長:ラブ→長政の仇→ラブ
光秀:信長の仇
秀吉:長政の仇
勝家:秀吉の対抗馬→ラブ?
茶々、初 父を殺した信長を仇として嫌うものの、織田家の庇護で饅頭にも事欠かない極めて恵まれた日々を堪能
光秀は叔父の仇としてやはり憎悪(初)。その仇を討ってくれた秀吉も父の仇として嫌悪。その秀吉に対抗し得る勝家も拒絶。
長政:敬愛
信長:長政の仇
光秀:信長の仇
秀吉:長政の仇
勝家:突然現れたおっさん
会ったこともない信長にあこがれる半面、初対面の秀吉はあからさまに見下しサル呼ばわり。同じく初対面の家康、光秀その他にはまともな対応。
本能寺の変後も光秀に好意を持つ一方で大好きだった信長の仇を討った秀吉を嫌悪。清洲城でも根拠もなく秀吉に不信感を示すなど、無礼な振る舞い多数。
長政:知らない
信長:パパみたい
光秀:好き
秀吉:光秀の仇
勝家:よく分かんないけどパパじゃない

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